lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

セイラム


マス・ヒステリーの恐ろしさ。。。

ピューリタニズムについてテキストを読んでいると、「セイラムの魔女狩り」という言葉が出てくる。17世紀植民地時代、まだ宗主国:英国からの独立も果たしていない、合衆国にもなっていないアメリカ・マサチューセッツセーラムで実際に起きたとても悲しい出来事。マス・ヒステリーの恐ろしさが良く分かる事件であり、300年以上たった現代でさえ世界を見渡せば類似の事件が十分起こりうる、そして、実際におこっているともいえる出来事。

昔世界史で習った、イギリス本国から海を越えてアメリカへ入植してきたピューリタンたちについては、(私の不勉強もあるけれど)アメリカに焦点を置いた書籍を読んでいると、だんだん印象が変わってきます。新しい土地での暮らしに夢を持ってやってきたはずのピューリタンたちは、当然のことながら出自である欧州の慣習も持ち込んでいる。科学的な考え方が人々を啓蒙するずっと前だということもあってか、迷信めいたことを考え方の中心においていた人たち。そんな基盤の上では、マス・ヒステリーも起こりやすいし、広がりやすいだろうと思う。

それにしても、アメリカ人に脈々と啓蒙時代より前のピューリタン的な側面が受け継がれていると言うのはとても不思議な気がする。テキストを読んでいて気づくのは、ピューリタンの根本は異質なものを排除するためにものすごい労力を使っているということ。ハリウッドとかブロードウェイとか、自由、夢なんかのポジティブなイメージとかけ離れた彼の国の根本は、実は変わっていないのだということにびっくりする。でも良く考えてみると、「未知のものへの恐怖」という人間の根本は、洋の東西を問わず同じなのかもしれないなとも思う。見たことのない霊や宇宙人なんかは、TVや映画なんかの影響かもしれないけど、なんとなく怖いのは事実。似たような感じで、セイラムの魔女狩りも起こったのかもしれないし、現在のイスラムとかのいざこざもその延長なのかもしれない。

実際の場所はどのへんなんだろうと思ってググってみたら、ボストンの上のほうみたいですね。グーグル・アースとか地図で見てみると、現在のセイラムは典型的な西洋の田舎町と言う感じがしました。昔すんでいたニュージーランドの町並みとも似ている気がする。

大学の科目を勉強するだけでも、色んな目を持たせてもらえてる(啓蒙されてる)ことを実感する出来事でしたね。