lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

日本人の起源


日本列島の中心部から離れるほどお酒が強いっ!Σ(゚д゚lll)(元筑波大学教授 原田勝二先生のアルコールに関する調査結果:日経2010年7月2日記事より)


1月31日に慶應義塾大学夕学講座にて行われた国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長篠田謙一先生の「人類20万年の旅と日本人の起源」を聞いてきました!
質問時間も含め2時間ちょっとという、講義1コマ以上の時間を使ってのセミナー。もう、とにかく面白かったっ!!\(^o^)/のひと言でした。講義と考えると長いけれど、この内容にしてはホント短すぎる時間の中で、しかもほとんどが専門外と思われる聴衆に向かってしゃべるのって、先生も大変だったんじゃないかと思います。

肝心の内容。母系でしかたどることができないミトコンドリアのDNA解析から、人類の起源、そして日本人の起源をたどります。よく言われるように、人類のおおもとはやはりアフリカにありました。やがて、一部のグループがアフリカ大陸を出てアラブを通り、ヨーロッパへ移動するもの、そしてオーストラリアへ移動するものに分かれます。その後、アジアに関しては北上移動し、東南アジアから中国方面へと移動していきます。日本人は当然のことながら中国へ移動した者たちの流れで、朝鮮半島を通り、あるいはシベリア、樺太などの寒いほうから南下して入ってきているわけですね。こういった流れを考えると、人類みな兄弟と言うのは確かに頷けますねぇ。この人類の移動に関しては、狩猟生活から獲物を追って迷い込むっていう考え方もあるようです。ほぅー!って感じです。日本へはそんな感じで人がやってきていますが、歴史が下って後に土着の縄文人に割って入ってきたのが、中国南部のDNAを持つ弥生人。彼らは農耕民族で、お酒に弱いのはこの弥生人の血のようです。(余談だけど中国嫌いとか韓国嫌いとか言ってる人も中国南部のDNA持ってたりするんだから、あんまそんなこといってちゃだめよーって思いますわ。)弥生人縄文人ではDNAに違いがあり、それはお酒に強いかどうかの違いにも出てきます。そしてアルコール強弱の列島分布図見てみると、列島中心部がアルコール弱くて、東北〜北海道と鹿児島あたりが強い。感覚的に寒い地方の人々がアルコール強い(寒いからアルコールで身体をあっためる)ってのは分かっていたけれど、暖かい鹿児島は意外だった!確かに鹿児島に住んでた学友に焼酎の話を聞いたときにへぇーと思ったことあったよなということを思い出したりして。
さて、この列島分布図はお酒に強い弱いが分かるだけじゃなくて、弥生人の血を引くものが主として住んでいるかどうかが分かる図でもありました。つまり弥生人が入ってきたことで、土着の民族は端へ追いやられた形になってしまったということのようですね。そして一番びっくりしたのが、われわれみんな、ネアンデルタール人の遺伝子を2.5%持っていると言うこと!当たり前だけどやっぱり石器使ってた時代の遺伝子も持ち合わせているわけですね。さすが人類の設計図。全てがつまっております。ヒトゲノム解析が終わったのって2003年だっけ?とにかく21世紀はゲノムの時代に入ってて、解析するととめどもなくなんでもわかっちゃうかんじがありますが。まぁ、結果を解析するのは人間なので、その人の主観が表れるから100%といいきれるものではないとは思うけど。確率的にはより精度が高い、科学的な分析であることは否定できないよな。

そうそう、私が専攻していく言語学も人類学の系統に含まれるので、先生がその系統の話をチラッとされたのは聞き逃さなかった(つもり)なんだけど、やはり人類学はスパンが20万年とか長いけど、言語学にいたっては1万年くらいのものを分析・研究している状態ということで、私がやろうとしているのはそんな狭い領域のことなんだなーと再認識。そういえば、いわゆる印欧語と北インドの言葉は類似するようですね。北インドで使用されているのがどんな言葉なのか聞いてみたいですねぇ。

それにしてもホント面白かった。会場もほぼ満席でしたね。男系でたどるY染色体のDNAのお話ももっと聞きたかったな♪またセミナーとか探してみようっと。しかし、人類学・進化学みたいなのってロマンという言葉がぴったり当てはまるよなぁ〜♪( ´▽`)