lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

『宗教からよむ「アメリカ」』と。。。

宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)

宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)

レポの参考文献としてよんだ本の中に、『宗教からよむアメリカ』という本がありました。私自身、たぶんアメリカ文化というものにものすごく影響されて生きてきた一人だと思うし、10代のときから見慣れているハリウッド映画って、善か悪か見たいな二項対立的な側面というか、グレーゾーンが余り存在しないような部分があるような気はしていました。そして必ず「アメリカはNo1!!」みたいなところとか。もちろん、日本にも、水戸黄門みたいに善か悪かみたいな物語って存在するんですけど、アメリカってホントそういう傾向が強い気がするんですよね。まぁそういう話って、見ている側とすればスカッとする部分はあるんですけど、あまりに短絡的な思考が標準化してしまったら、怖い部分もある気もする。で、なんでそういう気質が多いのかなぁと思っていたんですけど、大学の科目としていくつかの歴史の書籍をよんできて、そういう側面の理由がうっすらとではあるけれど、分かってきたところがあるように思います。その中でも、この書籍は、結構謎解きというか、あぁ、そうか!と腑に落ちる点があるということで、影響力の強い本だと思います。

最近、オンタイムで見たかったのに見逃してしまった、「ゼロ・ダーク・サーティ」って映画を見たんですけど、あー、ここにもアメリカの気質が現れてるよなぁ。。。っていう気がしました。

キリスト教にしろ、イスラム教にしろ、「過激派」になってしまったら私みたいなパンピーには怖いだけなんだけど、それぞれの宗教を信じることは決して否定されるものではないとは思っています。イスラム教については、学者によっては資本主義とか共産主義みたいなものと同列に扱ったほうがよいのではないかという意見があると、なんかの参考文献に書いてありました。確かにイスラム教自体は、少しかじった知識によれば、どちらかといえば個人の心の救済よりも法律や政治を含む社会体系的な側面がある。私は無宗教だから仏教でさえあんまり良くわかんないけど、映画なんかで見るキリスト教徒は、教会にconfessionに行ったりという、どちらかといえばまさに個人の心の救済を主としているようにみえます。

アメリカのAll or Nothing的な側面は、911を境に加速化したのかもしれないですけど、確かに911って、ぼんやり生きてる私のような人間でもはっきりとキリストVSイスラムの世界があることを認識するような出来事でした。アメリカの人によっては言わずもがななんだろうな。だから、何年たっても、これを軸にして色んな側面を扱った映画が見られます。トム・ハンクスの映画で「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」っていうのもあったなぁ。

ゼロ・ダーク・サーティ」自体は実話って書いてあったけど、第三者が脚本化した時点でもうフィクション化してはいるんだろうな。映画としてはホントすばらしく、最後までぐいぐい引き込まれてしまいました。でもこういう争いが身近にあったら、ヘタレな私としては耐えられないだろうなぁ。。。CIAとかFBI映画ってものすごい好きだけど、フィクションだから見れるってあるかも。根っから能天気な私としては、なんとかこういう宗教間の争いがなくなって、平和な世界になってくれないかなぁと思ったりするのです。