lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

世界共通語

このところはまっている「古代地中海周辺の歴史」。関連書籍を読んでいるうちに、カエサルクレオパトラ7世はどうやって会話をしたのか疑問になりました。そこでまずは軽くググってみたところ、どうやらギリシャ語で会話していたようで。自分の中では、ローマ人はラテン語、そしてエジプト人エジプト語で会話したのだろうと漠然と思っていたのでこういう疑問がわいたんですが、考えてみればヘレニズム以降のエジプトにはギリシャ人やギリシャの文化がたくさん入ってきていたようだし、ギリシャ語を学ぶ人が多くてもおかしくはない。一方のローマにしても、当時の知識人はみんなギリシャ語を話したらしいので、なるほどなーというところに落ち着いたわけです。そんな感じで色々見ているうちにある言葉にぶつかりました。

リンガ・フランカ(共通語)

リンガ・フランカは、元々は「フランク王国の言葉」という意味ですが、まぁ、異なる言葉を話す者同士の共通語という意味合いのようです。現代のリンガ・フランカはといえば、まぎれもなく英語ですよね。ここ数年でも楽天の社内公用語の英語化とか大々的にニュースに取り上げられてましたし、言葉は悪いけど、ノン・ネイティブは、猫も杓子も英語をマスターすることに必死になっているような感じに見えます。小さくなった世界で生きていくために必要であると認識されているからこその現象なんでしょうね。英国が世界の覇者だったころにあちこちに植民地を持ち、欧州の小さな国でしか話されていなかった言葉が世界のあちこちに広まった。タイミング的にも活版印刷が普及し、綴りが固定したのちの輸出であったから、遠く離れたかつての植民地であるアメリカやオーストラリアでも、多少の訛りなんかの違いはあれど「英語」という言語でコミュニケーションが取れる。英国の自国言語の輸出戦略?は、かつて凌駕されたはずのフランス語に比べても、大成功だと思います。

そのような現代のリンガ・フランカである英語の持つ力について、かなり興味深い考察をされているブログを見付けました。

我々日本人のような、英語とは全くかけ離れた言語を有する者も、読み方や表現方法を学べばそれなりに異文化に暮らす人々が言っていることや書いてあることが分かるようになる。でも当のネイティブ・スピーカーにしてみたら、個人から国家のレベルに至るまで、何でもかんでもわかってほしくない部分は当然あるだろうと思います。そういう側面から考えると、ネイティブとノン・ネイティブとの境界線をどこかで引くために、「発音が悪くて何を言っているのかわからない」という口実から相手を制止することはうまい方法だなと思ったりします。

現在、英語のネイティブスピーカーは5億人とも6億人とも言われるけれど、レベルを勘案しない場合、ノン・ネイティブの英語スピーカーの方がはるかに多いわけですね。そして、もう既に英語はネイティブVSノン・ネイティブのやり取りというわけではなく、ノン・ネイティブ同士のコミュニツールになる場合の方がずっと多いんじゃないかと思います。ネイティブであってもお住まいの地域の訛りがきつすぎて何言ってるかわからない場合もあるし、「英語うまいなぁ。。。」と思うノン・ネイティブも必ずいるわけです。母語と英語との類似性が多ければ多いほど、英語がうまく操れるのは当たり前なので。だから、日本語の様に英語とはかけ離れた言葉を持つものは、どちらかといえば英語に近い文法を持つ中国の人々に比べれば圧倒的に不利だと思うんです。

何を言いたいかといえば、まぁ、ネイティブの様に英語をうまく操ることができなくてもコンプレックスを持つ必要はないんじゃないかなと。もちろん最低限の語彙や文法を知らないと理解できない部分もありますが、ネイティブと比べるなどというのはナンセンスで、世界共通語としてきちんとコミュニケーションが取れればOKと考えていいのではないかと思ったりします。