lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

ちょっと寄り道♪

経済からの脱出 (シリーズ来たるべき人類学)
学友の影響で文化人類学を教えられている先生の『経済からの脱出』を読んでみました。キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー
異文化と自己の文化の差異や融合に興味がある私にとって、この科目は、その名前からして好みだということが分かりました。ただ、恥ずかしながら浅学のため、当初、文化人類学と経済のつながりに??がついたところはあります。ところが、同書の「お金で買えない価値はあるか?」「感情の経済―エチオピア農村社会の富の配分」などにみられるように、やはりつながりはあるんだと。考えてみれば、経済活動はまさしく人間活動なんだし、つながりが無いわけがないのですよねぇ。

余談ですが、私はある特定のトピックについて学術的に追及するとき、特に、よりバイアスがかからないようにするためには、別の視点を考慮に入れることが効果的だと思っています。従来あるように理系・文系や○○学部○○学科○○専攻の視点からっていうだけじゃなくて、極端な話、理系も文系も取っ払って違うアプローチから攻めたほうが、より真実を突き止められるのではないかと。まぁ、トピックは限定されるのかもしれませんがー。例えば今トライしている“考古学”は、テキストにまさしく自然科学とのコラボについて書いてあります。放射性炭素測定による年代測定なんかは物理学とのコラボの典型的のように思えるし、私見では、2000年代にものすごい勢いで行われてきたゲノム解析なんかも使えるんじゃないかと。。。それとも私が知らないだけで、もう使われてるのかな?w

さてさて同書に戻りますが、書中、一番驚いたのは、21世紀の現在に「貝殻貨幣社会」というものが存在することでした。パプアニューギニアのニューブリテン等、ラバウルに住むトーライと呼ばれる人々は、いわゆる貨幣通貨と貝殻貨幣を併用しているそうです。当初、貝殻で物を買う―しかも貝殻貨幣のほうがより価値を見出されている―ということに対するイメージがわかなかったのですが、色々考えてみると、現金とクレジットカードのようなものなのかと。クレジットカードはまさに(実際の物品交換の際には)現金を介入させないからなんですけどねwしかし読み進むとクレジットカードとは全然違いました。そして面白いのが、この貝殻貨幣は自分のところにやってくるとそれは全て自分の所有となり、つなぎ合わせてロロイというもの(貝殻のネックレスのイメージ)をつくり、なくなった後の葬式時に飾り付けられるということです。しかもロロイの数が多ければ多いほどすばらしい人物であったことを示すという。この貝殻貨幣は、初期段階では交換媒体として存在するけれど、一度何かと交換した後は貯蓄物となるという、日本ではありえない使い方をされているわけです。とにかく文化の違いってすごいなと思い、ものすごく印象に残る一説でした。

同書で文化人類学の端っこを見てみた感じですが、面白かったです。大学在籍中に、文化人類学の講義を一度受けてみたいですねー♪