lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

天使と悪魔か?(その1)

今回受講したE-アメリカ文学史の講義では、削除されてしまったジェファソンの草稿部分(!)を含む独立宣言のテキストを頂いたり、ハーマン・メルヴィルの古典名作『白鯨』(Moby Dick)と911テロとの関係、はたまた偉大な歴代大統領の一人であるリンカーンについての当時の世論など、色々と興味深いことを教えて頂いた。まだまだ表面的な理解しかされていない部分は今後の自分自身に委ねるとして、講義中、先生がおっしゃったあることに自分の中で引っかかるものを感じたので、少し調べてみた。(科目試験期間中に何やってんねん!って感じですが・・・)

「現代アメリカに未だにダーウィンの進化論を認めない、進化論を教えないという学校が存在する!!」
今回米文学史の勉強はしたものの、米国についてほとんどステレオタイプな側面しか知らなかったため、先生の言葉に正直少し混乱した。これだけ科学(ips細胞とか、テーラーメイド医療構想とか、古いところでは英国の羊のドリーもあるし...)が発達し、しかもその発達の中心を担っている米国において、そんなことがあり得るのか?しかし、実際に調べてみると、ただ進化論を信じないというレベルではなく、教育委員会を巻き込んでの論争に至っている事実もあるということが分かった。しかも、「創造vs進化」論争(the creation-evolution controversy)なるものも存在するらしい。そして、専門誌に掲載された論文はもちろん、ニューズ・ウィーク等の一般誌に至るまで、様々なところにその論争は存在していた。2006年のナショナル・ジオグラフィックから面白い見解を引用したい。

"Evolution less accepted in U.S. than other western countries, study finds", Names Owen, National Geographic news, August 10, 2006

同記事によれば、ダーウィンの進化論(人間と類人猿が同じ先祖を共通としているという説)に対し、真実であると考えるアメリカ国民はわずか14%、約1/3は絶対にありえないと回答している。一方、デンマークスウェーデン、フランスを含む西欧諸国で行われた同様の調査では、80%以上の大人が進化論の概念を受け入れているという。また、西欧で進化論の仮説を完全にありえないものと考える大人の割合は、英国の7%〜オランダの15%という結果であった。(筆者私訳)

※その2へつづく