lalala sunshine

〜慶應文学部を通信教育過程で卒業しました〜

ルイ17世の行方・・・

ルイ16世とマリーアントワネットの3人目の子、ルイ・シャルル=ノルマンディ公(ルイ17世)。アントワネットは自分に良く似た彼を、「シュー・ダ・ムール}(愛しいキャベツ:なんでキャベツやねん!!)と呼んでとても愛したという。兄のルイ・ジョセフが病弱であった(革命勃発前に8歳で逝去している)ので、必然的に彼が将来のフランス王国を継ぐ嫡子であったのだが、ご存知バスチーユにはじまるフランス革命が勃発。16世一家はヴェルサイユからパリのテュイルリー宮、続いてタンプル塔へと隔離された。父:16世、母:アントワネットが処刑のためタンプル塔を去り、姉のマリー・テレーズとともに塔に残されるが、隔離されているため会うこともできず、ろくな食事や教育も与えられないまま、1795年、わずか10歳でこの世を去った。

ところが、お決まりのように彼は生きているという風評が立つことになる。「靴屋のシモン(ルイ・シャルルの教育係であった)がルイ17世をタンプル塔から連れ出しており、本当はまだ生きているのだ!!」。それにあわせて我こそはルイ17世であるという人物もでてくることになる。そして、現代―「やはりタンプル塔でなくなった少年はルイ17世で間違いなかった!」ということが、科学的に証明されたのが、以下の論文である。

"Mitochondrial DNA analysis of the putative heart of Louis XVII, son of Louis XVI and Marie-Antoinette; Els Jehaes et al., Eur J Hum. Genet. 2001 Mar;9(3):185-90"

20世紀に発展した科学は、歴史にメスを入れ、真実を明らかにすることを可能とした。DNA塩基配列という決定的な証拠を突きつけられたら、最後通告だよなぁ・・・。

ちなみに、このDNA塩基配列というのはATGCという4つの塩基から成っており、人によってその配列は異なるとか。つまりは、自分の塩基配列を解析すれば、先祖の情報がてんこもりで詰まっているということらしい。また、補足的情報としては、解析結果を見れば、どんな病気になりやすいかということも分かるという。この塩基配列人間については、2003年のヒトゲノム解析プロジェクトにて解読が一通り終了しているという。

【ここで疑問】足利事件では、当初、DNA解析が一致するってことが証拠とされてたじゃん・・・・。知識のある方に聞いた話だと、あのときの解析では塩基配列の解析までしていなかったのではないかとのこと。塩基配列を解析するっとことは、それほど精度の高いものなのだなぁ・・・。